メニュー

動悸が気になる方へ① 動悸の原因

 

 

【動悸】 

胸がどきどきすること。

心臓の鼓動がいつもより激しく打つこと。(デジタル大辞泉)

 

 

「脈がとぶのが気になる」

「心臓が躍るように脈打つ」

「早い鼓動を感じる」

「心臓がドキドキし胸苦しい」

 

患者さんによって、【動悸】の感じ方は様々です。

また、【動悸】の理由もそれぞれです。

 

心臓の病気の方から、ホルモン異常やストレス、自律神経のバランスが崩れた状態など、患者さんの背景や検査から原因を特定し、それに合ったアプローチをすることで、【動悸】を軽くできるかもしれません。

 

 

 

 

ここでは【動悸】を起こす原因について詳しく述べたいと思います

 

 

まずは、ご自分の【動悸】の特徴を把握しましょう。

 

・脈はいつもより早いか同じくらいか

・脈のリズムは一定か。一定でない場合、規則正しい中に時々脈が抜けるのか、てんでばらばらか。

・持続時間や頻度はどれくらいか。

・【動悸】がよく起こる状況や原因はないか。

 

このあたりを伺うことで、かなり診断に近付くことができます。

脈のリズム異常がある場合や、【動悸】が急に起こり急に治まる場合などでは、不整脈の可能性が高まります。

 

 

 

 

【動悸】を感じる脈の異常は以下の通りです。

 

基本的に治療は必要でないが、原因によっては治療をした方がよいもの

○期外収縮(上室性/心室性)・・・一定のリズムの中、時々1拍早くなり、次に1拍抜ける脈

 予期しない時に収縮するのでこの名前がついています。

  “トントントトンットントントトンットン”

基本的には治療の必要はなく、心配ないことがほとんどです。

症状が強い方は脈をゆっくりにする薬で軽くなる可能性があります。

また心臓に異常があるために期外収縮がでている方もいらっしゃるので、期外収縮が多い方は心機能の評価が必要です。

 

 

○洞性頻脈・・・単純に脈が速くなった状態です。運動後や緊張で起こりますが、安静時に脈が速くなると、【動悸】として感じることがあります。この場合、脈のリズムは一定です。

“トットットットットットットットットットッ”

 

安静時の洞性頻脈は、精神的緊張や過度のストレス、睡眠不足などで起こります。

ただし、心臓の機能が弱った重度の心不全の方、甲状腺ホルモンが過剰に出てしまう甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の方、他の病気(呼吸不全、感染症など)で脈が速い方はそれぞれに合った治療が必要になります。

また、精神的緊張やストレスなどでは漢方薬の内服で症状を軽くできる場合があります。

 

 

患者さんの背景によってすぐに治療が必要なもの

○心房細動・・・心房(心臓の上の部屋)がぷるぷると細かく震え、結果脈もてんでばらばらになってしまう病気です。70才を超えると10人に1人以上がなると言われている一般的な不整脈です。初めは「発作性」といって、短い時間だけ起こることが多いです。徐々に持続時間が長くなり、また頻度も多くなり、最終的に「持続性」となって常に脈がばらばらになります。

“トントトトトンットトトンッットントンットトトトトン”

 

脈の不整以上に、心臓内の血流が乱れ、血栓ができやすくなることがこの不整脈の恐ろしいところです。できた血栓が頭に飛ぶと脳梗塞を起こします。心臓内にできる血栓は脳の血管に対して大きいので、脳梗塞のダメージも大きく、半身不随や意識障害などが起こってしまうこともあります。

心不全、高血圧症、高齢、糖尿病、脳梗塞の既往 などがある場合は、血栓予防に抗凝固薬を開始します。また、脈が速すぎる方には脈をゆっくりにするお薬をお出しします。

心房細動は一昔前はお薬や電気ショックの治療のみでしたが、症状が強い方や発作性の方はカテーテルアブレーション治療の適応があります。カテーテルアブレーションにより50-90%の根治が見込まれています(発作性/持続性、心房の大きさ等背景で変わります)。

 

 

○発作性上室性頻拍、心房粗動など・・・心臓における脈は電気刺激によって作られます。心臓内に異常な電気回路ができることで、リズム一定の頻脈発作が起こります。

トトトトトトトトトトトトトトトトトトト

これらの不整脈はお薬が効きづらく、カテーテルアブレーションをお勧めすることが多いです。

 

 

失神する可能性のあるもの、命の危険があるもの

○心室頻拍

○心室細動

 これらの不整脈では、心臓の一番重要な心室という部屋が細かく震えてしまい、うまく血液を全身に送り出せなくなってしまいます。

結果、脳や冠動脈などの血流が不足し、気を失って倒れたり、最悪命を落とすことになります。

心筋梗塞や心不全が原因で起こる場合や、体質で起こってしまう場合もあります。

命に関わる場合や気を失う場合は電気ショック(AEDや電気的除細動)が原則です。

その後は予防として植え込み型除細動器という電気ショックをかけられるペースメーカーを体に入れたり、強めのお薬を継続的に内服します。

 

⚫脈の異常がないもの

 最後に、精神的緊張や疲れ、寝不足、ストレスなどで、脈はいつも通り打っていても、鼓動を必要以上に感じてしまう場合があることを付け足させていただきます。

この場合、リラックスをすることが一番です。

漢方薬や場合によっては心療内科の受診、カウンセリングなどが症状を楽にしてくれるかもしれません。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME